Microsoft の FOSS 基金がオープン ソース エコシステムを支援する仕組み
2024年11月18日 // 1 min read
オープン ソースは、世界中のコントリビューションの取り組みに依存しています。何百万もの人々が、コードの作成、サポートの提供、ドキュメントの下書き、イベントの計画、その他プロジェクトを進めるためのあらゆるタスクに携わっています。
Microsoft の FOSS 基金は、私たち全員が大きく依存するオープン ソース エコシステムを当社が支援する多くの方法の 1 つです。同基金では通常、四半期ごとに、$30,000 USD を 1 から 5 件のプロジェクトに分け、投票数の多い順に贈呈しています。過去の受賞プロジェクトは、LLVM、Debian、serde、YAML、mermaid.js、NVDA (NonVisual Desktop Access) などです。プロジェクトでは、セキュリティ監査費からロゴを作成するためのグラフィックデザイナーの雇用費まで、あらゆることに基金が使われています。
この記事では、次の内容について説明します。
Microsoft が従業員を活用して基金を提供するプロジェクトを決定する方法
独自のオープン ソース 基金プログラムを構築する際に考慮すべきこと
オープン ソース コミュニティへの架け橋を築く
Duane O'Brien 氏から着想を得た FOSS 基金は、2019 年に Microsoft のオープン ソース プログラムオフィス (OSPO) によって設立され、2020 年に最初のスポンサーシップをオープン ソース プロジェクトに提供しました。 プロジェクトは、従業員の推薦によって特定され、過去数か月間にオープン ソースに何らかの貢献をした従業員によって投票されます。Microsoft は、従業員が依存先に対して持っている知識や情熱を活用することで、それらのプロジェクトを支援する機会としてだけでなく、プロジェクトを超えて影響、必要性、支持に対する意識を高めることもできます。現在、Microsoft は FOSS 出資者グループに参加する多くの企業のうちの 1 社です。
「Microsoft の FOSS 基金は、Microsoft の従業員とオープン ソース コミュニティとのつながりを築けるようにします」と Microsoft オープン ソース プログラムオフィス プリンシパル TPM の Emma Irwin は話します。また、「スポンサーシップ、コントリビューション、他の機会に対する依存関係を評価できることは、エンジニアリングでの他の能力と同じように教えられ、実践される必要があります」と言います。
Microsoft FOSS 基金の仕組み
Microsoft の従業員であれば誰でも、Microsoft で使用されているプロジェクトを推薦できますが、受賞者を選ぶために投票できるのは、過去 6か月間にオープン ソースに貢献した従業員のみです。前回の投票では、約 6 千人の従業員が投票しました。
検討対象となるプロジェクトは、以下の要件を満たす必要があります。
Microsoft の製品および/またはサービスに使用される。
OSI の承認を受けた オープン ソース ライセンスを持つ。
当社の調達チームと法務チームが承認する基金を受け取る手段がある。
基金の送金先と送金方法に関して透明性のあるガバナンスを持つ。
Microsoft の従業員が所有、または主に維持管理していない。
プロジェクトは、スポンサーシップの配分方法についての詳細を、たとえば FUNDING.yml ファイルや GitHub Sponsors ペインの形で、一般に公開する必要があります。ここでの目標は、コミュニティが基金の方向性に驚かないようにすることです。
GitHub Sponsors は、すでに認められたベンダーとして確立されていて、とても簡単に支払いを行えるため、寄付を処理するのに適した方法であると Irwin は話します。「他の企業の方々からも、できるだけ GitHub Sponsors を使いたいと聞いています」と Irwin は言います。ただし、それは好みであり、必須要件ではないと強調します。Microsoft FOSS 基金は、NumFocus、SFI などの資金面のスポンサーや他の手段を通じてプロジェクトに支払いを行っています。
助言
オープンソース ソフトウェアのための独自の基金を設立しようとしている他の組織は、目標を設定し、従業員に依存関係を教え、実際に役立つ投資方法であるコントリビューション、スポンサーシップ、あるいはそれ以上のものを教える指標を特定することから始める必要があると Irwin は話します。「予算に応じて、どれだけ多くの種類のプロジェクトを資金援助できるか、また、どのような指標を使ってプロジェクトを見つけるべきかを考える必要があります」と Irwin は言います。また、「たとえば、単一のメンテナー プロジェクトの資金援助に重点を置きたい場合、スポンサーシップが 1 つでもあれば大きな違いが生まれ、より多く資金援助できる可能性があります」と言います。
進みながら調整を続ける。「プロセス全体を継続的な学習の機会として扱います」と彼女は言います。また、「どのような問題を解決しようとしているのか、基金がどう役立つのかを問い続けます」と言います。
オープンソースへの投資は始まりも終わりもないサイクルであり、これらの取り組みが依存関係の持続可能性に与える影響を定期的に評価し、新たなニーズを探すことが重要であると Irwin は強調します。「FOSS 基金は 1 回限りの賞です」と言います。「プロジェクトを持続可能にするには、継続的なコントリビューションが必要です」
つまり、より多くの企業が、上流へのコントリビューションと資金提供によってオープン ソース プロジェクトの成長を継続できるように前進するということです。
依存しているオープン ソース プロジェクトへの出資を始める準備ができている、または、スポンサーシップをお探しのメンテナーであれば、今すぐ GitHub Sponsors にサインアップしましょう。
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