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大規模な Enterprise ワークフロー オートメーション

Bekah Whittle
Bekah Whittle // Director, Field Services // GitHub

最初のほうのモジュールを既に読んでいれば、ワークフロー オートメーションの本当の潜在力はスケーリングするまで発揮されないことが分かるでしょう。しかし、それに向き合いましょう。スケーリングは単なる拡大ではなく、効率化し、有効性を高め、事業目標への適合度を高める改善なのです。このガイドでは、ワークフロー オートメーションのスケーリングを成功させるための重要な要素を 3 つ説明します。スケーリング成功のための開発者満足度の重要性について HelloFresh からのガイダンスもあります。


このガイドの学習内容

  • 移行戦略を成功させることによりスケーラビリティを実現する方法

  • ホステッド コンピューティングのメリット

  • 開発者の幸福度が多大なメリットをもたらす理由


移行を GitHub Actions による拡張の機会と捉える

GitHub Actions を使用したスケーリングでは、堅牢な移行戦略を作成することが成功の最初の鍵となります。ここで重要なのは、移行はロジスティックの課題となる可能性がある一方で、改善の機会でもあるということを理解することです。単に既存の設定を再現するのではなく、業界のベストプラクティスに沿うように改良します。今こそ、技術的負債を解消し、インナーソースを推進し、効果的なワークフローを確立する時です。慎重に検討した移行プロセスでスケーラビリティの基礎を築くことにより、ワークフローを拡大するだけでなく、成長させられるようになります。

手動による移行、特に別の CI/CD プラットフォームから移行する場合は時間がかかることがあります。このプロセスを容易にするため、GitHub では、予測、計画、最終的に GitHub Actions への移行を支援する Actions Importer ツールを提供しており、さらに、支援のためのファストトラック チームも用意しています。 

このモジュールの次のガイドでは、効果的な移行戦略を作成する際の考慮事項について説明します。

ホステッド コンピューティングのメリット

GitHub Actions を使用してスケーリングするときに重点を置くべき 2 番目の領域は、コンピューティング ソリューションの最適化です。ワークフローを実行するだけではなく、あらゆる規模で効率的に実行することが重要です。GitHub Actions は、ソフトウェアの更新やセキュリティ パッチなど、全て GitHub によって完全に管理されている Windows、iOS、Linux のランナーを提供します。GitHub ホステッド ランナーは拡張性を考慮しているため、ランナー プールの設定や、開発者が管理チームを待つといった管理上の煩わしさが解消されます。GitHub ホステッド ランナーは必要に応じてすぐに起動および終了できるため、単一のリポジトリで最大 5,000 を超えるランナーに拡張できます。こうした一時的なインフラストラクチャの作成と管理自体が 1 つの仕事になっていますが、GitHub Actions と GitHub ホステッド ランナーを使用すれば、その作業は必要なくなります。

特定のセキュリティ コンプライアンスのニーズがある場合、GitHub Actions には、セルフホステッドまたは独自のランナーを導入できる柔軟性があります。しかし、ほとんどのシナリオでは、ホステッド ランナーによってプロセスが高速化され、開発者の時間が解放されます。要するに、ワークフロー オートメーションを効果的に拡張したいと考えている企業にとって、ホステッド コンピューティングは重要な要素です。

開発者の幸福度

GitHub Actions のスケーリングに関して最後に言及しておくべき重要な要素は、開発者への影響です。スムーズで効率的なワークフローは単なるビジネス アセットではなく、開発者の幸福度を左右するものです。それはなぜでしょうか。幸福度の高い開発者は生産性の高い開発者となり、大規模に運用する場合、生産性が少しでも向上すれば、ビジネスの大きな利益につながる可能性があるためです。

GitHub Actions を使用することによって、平均 1,000 行以上あったパイプラインが 100 行程度に減ったため、パイプラインをより把握しやすくなりました。 CI 関連のクエリが 40% 減少したことにより、貴重なエンジニアリングのための時間も増えました。さらに、Actions の使いやすさのお陰で、開発者がインナーソーシングを採用しやすくなり、さまざまなエンジニアリング チームからのコントリビューションが増えました。全体として、Actions を採用したことにより、デベロッパーエクスペリエンスとエンゲージメントが向上し、サポートの負荷も軽減されました。

Sanjito Kurniawan
Sanjito Kurniawan // Senior Platform Engineer // HelloFresh

人々が GitHub Actions を選ぶのは、開発者が GitHub Actions を好むからです。抵抗感を最小限に抑え、開発チームがベストな成果を出すことに注力できるようになります。ホステッド ランナーのシームレスな設定からワークフロー オートメーションの効率的な管理まで、GitHub Actions のあらゆる側面は開発者の作業を楽にすることを目指しています。

スケーリング戦略における開発者満足度の重要性を過小評価しないようにしてください。テクノロジーだけでなく、それを使用する人々も重要です。開発者がサポートされている、力を与えられていると感じられる作業環境を構築すれば、スケーリング タスクがはるかに管理しやすいものになることを実感できるはずです。

次の内容: GitHub Actions への移行を計画する

ここまで、GitHub Actions を使用してワークフロー オートメーションを拡張するための 3 つの要素について説明しました。次に、移行を可能な限りシームレスにするための移行戦略についてさらに詳しく説明します。